ふけとは皆さんご存じの通り、頭皮からぽろぽろとこぼれ落ちる白色の老廃物のことです。
その正体は頭皮からはがれ落ちた古い角質細胞で、古い角層から新しい角層へと生まれ変わる際に発生します。これを新陳代謝またはターンオーバーと言い、私たち人間の肌は定期的に新陳代謝を繰り返すことで常に新しい角層を作り出しています。
新陳代謝は誰にでも起こる自然現象のひとつなので、適切な量であれば、ふけそのものにあまり問題はありません。
ただ、肩に積もるほどふけが多くなったり、ベタベタしたふけが大量発生した場合は、頭皮環境が悪化しているサイン。たかがふけ・・・と放置していると、抜け毛が増えて若はげになる可能性があるので早めの対策が必要です。
ふけと若はげの関係
健康な頭皮環境の場合、たとえふけが発生しても自然にはがれ落ちてしまうので、頭皮トラブルを起こす心配はありません。
しかし、ふけが過剰発生すると、古い角質がどんどん堆積し、やがて毛穴つまりを起こしてしまいます。
すると、毛穴から分泌される皮脂の出口がなくなり、余分な脂分が蓄積。やがて酸化して過酸化脂質となり、頭皮に炎症を起こす原因となります。
頭皮環境や毛穴まわりにトラブルが起こると、毛根や毛母細胞のはたらきが低下し、新たな髪の毛が生えにくくなるほか、今ある髪の質も悪くなり、ハゲ症状が進行しやすくなります。
ふけの種類
薄毛の進行を食い止めるには早めにふけ対策を行うことが大切ですが、ひと言にふけと言っても、その種類は大きくわけて2つあります。
それぞれ異なる性質を持っており、対策方法も正反対なので、ケアするときは間違えないよう注意しましょう。
乾燥ふけ
カサカサして水気のないふけのことです。その名の通り、頭皮が乾燥していると大量発生しやすいところが特徴です。
頭皮が乾燥していると紫外線など外部からの刺激に弱くなるため、肌荒れを起こしやすくなるほか、頭皮が傷んで血行が悪くなり、毛根に栄養が行き渡りにくくなります。
脂性ふけ
脂分を含むベタベタしたふけのことです。頭をかくと爪の中にたまりやすく、においもきついところが特徴です。
脂性ふけの原因は皮脂の過剰分泌が原因で、べたついたふけは毛穴にもつまりやすく、毛根のはたらきが低下してしまいます。
なお、皮脂の過剰分泌はホルモンバランスの乱れや生活習慣の悪化などが原因なので、べたつきを落とそうとしてシャンプーを繰り返すのはかえって逆効果。
特に刺激の強いシャンプーを一日に何度も利用すると、頭皮を守る皮脂まで洗い流してしまい、その反動でさらに皮脂の分泌が過剰になるので要注意です。
ベタベタした脂性のふけは要注意
AGAは、男性ホルモン「テストステロン」と皮脂腺や毛乳頭に存在する「5αリダクターゼ」によって強力な男性ホルモン「DHT」が生成されることで進行します。
DHTは、ヘアサイクルを乱すだけではなく、皮脂腺を刺激して皮脂の分泌量がふえる特徴も併せ持ちます。
頭皮が皮脂でベタベタしていると、発生したふけも脂性になりますので、べたついたふけが大量に発生する場合は、AGAによって皮脂が多く発生している可能性があります。