毛穴から分泌される皮脂は、紫外線や異物などから大事な肌を守る重要な役割を担っています。
しかし、何らかの原因によって皮脂の分泌量が過剰になると、余った脂分が頭皮や毛穴にたまり、ベタベタギトギトした肌触りになってしまいます。
毛穴につまった皮脂は雑菌や細菌の温床となり、肌表面や毛穴まわりに炎症が発生。そのまま放っておくと頭皮環境が悪くなり、若はげや薄毛の大きな原因となります。
では、なぜ皮脂の過剰分泌が起こってしまうのでしょうか?
皮脂が過剰分泌する理由
皮脂が過剰分泌される6つの原因をご紹介します。
DHTの増加
DHTとは、男性ホルモン「テストステロン」と還元酵素「5α-リダクターゼ」が結合して発生する男性ホルモンの一種です。
DHTには毛母細胞の活動を阻害するはたらきがあり、ヘアサイクルを乱す要因になることから、AGA(男性型脱毛症)の最大リスクとされています。
さらにDHTには皮脂腺を刺激する作用があるため、DHTが増え続けると、皮脂の分泌量も増加してしまいます。
食生活の乱れ
もともと日本人は魚や野菜など和食中心に食生活を送ってきましたが、近年は食の欧米化にともない、肉類や乳製品を多く摂取するようになりました。
動物性タンパク質や脂質を過剰に摂取すると、皮脂腺が発達して皮脂の分泌量も増加する傾向にあるので、脂っこいものばかりを食べている人は要注意です。
ストレス
慢性的にストレスを受け続けていると、ストレスと闘うため、男性ホルモンの分泌が盛んになります。
男性ホルモンには皮脂の分泌を促すはたらきがあるため、ストレスを抱えている人は皮脂が過剰になりやすく、若はげの症状が進行する可能性が高いと言えます。
睡眠不足
良質な睡眠をとらず、夜更かしを続けていると、交感神経と副交感神経の切り替えがスムーズに行かなくなり、自律神経失調症を発症しやすくなります。
自律神経のバランスが崩れると、皮脂の分泌量をコントロールできなくなり、ベタつきや毛穴つまり、ニオイの原因になります。
頻繁な洗髪
1日に何度も洗髪すると、頭の皮脂を取り過ぎてしまいます。洗髪は1日1回夜にして、皮脂を適度に落とす洗髪を心がけましょう。
洗浄力が強すぎるシャンプー
余分な皮脂や頭皮の汚れは、毎日のシャンプーできれいに落とすことができます。
しかし、洗浄力が強すぎるシャンプー剤を使用すると、汚れと一緒に頭皮を保護する皮脂まで洗い流してしまい、皮膚のバリア機能が低下してしまいます。
そこで皮膚は失った皮脂をすみやかに補うよう、いつもより多めに皮脂を分泌してしまい、ベタつきの原因になってしまうのです。
頭皮がベタベタしていると、汚れを落とすために何度もシャンプーしてしまいがちですが、逆に皮脂の過剰分泌を招くおそれがあるので、洗いすぎには十分注意しましょう。
皮脂が多くなるのは危険信号!
頭皮環境が悪かったり、AGAが進行するとDHTが増加して皮脂が多く分泌されるようになります。
皮脂が多く分泌されるのは、若はげの危険信号です。
頭がベタベタすると感じたときは、早めに対処することが、若はげの予防や対策につながりますので、放置しないようにしましょう。